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ーモナッシュ大学、メルボルン、オーストラリアの事例ー

X線位相コントラスト・イメージ
ングによる生物医学研究の促進。

メルボルンのモナッシュ大学には、位相コ ントラスト・イメージング技術開発の最前 線を担うX線科学者がいます。Excillum MetalJetにを用いた学内の装置を使うこと で、近年では、従来のシンクロトロンや小型 シンクロトロンX線源を用いるよりコンパク トで操作が容易なイメージング装置セット アップが可能になっています

インタビュー対象者

ケイ・モーガン博士とアイザック・ピナール博士

研究所

モナッシュ大学、メルボルン、オーストラリア

方法

X線位相コントラスト・イメージング

応用分野

生物医学研究

一般的なCTスキャンはほんの3~5分しかかからないのですが、 アイザック先生は「なかには検査に何週間もかかってしまう場 合もあります。そのときには、その画像需要に対応できる連続 稼働するX線源が必要になります。他のX線源ではこれほど長 時間稼働できません。これは私たちにとって明確な利点で す。」
博士アイザック・ピナー

モナッシュ大学の生物医学研究者にとっ て、最新のX線イメージングに対する要求 は多岐にわたっています。「私たちの研 究室では、心臓血管周囲の器官を研究し ています。 」とアイザック・ピナー博士 は語りました。「私たちはクリニックで の人工弁や酸素吸入器の使用などによる カニューレでの血液凝固やその周辺状況 を、X線を使って観察しています。この ような状況の中で、血液凝固や副作用の
軽減による患者の回復という成果が得ら れるよう努めています。」
研究チームが直面している重要な課題 のひとつは、血流などのプロセスのシ ミュレーションが非常に困難なことで す。特定の流体の粘度や流れはシミュ レーションできますが、生物学的要因 との相互作用が働くと何層もの複雑さ が加わります。アイザック先生による と、これらの医療
機器を検査する現在の方法は、通常、透 明な材料を必要とするレーザー技術を使 用しています。「血液中の生物学的要因 が機器の表面とどう相互作用するかを考 えられることは、大きな変化となりま す。だからこそ、私たちは様々な種類のX 線を使って流れを見るよう大きく舵を切 りました。これにより、器官とその中を 通る流れを、埋め込み可能な天然材料を 使って観察可能になりました。」

シンクロトロンから研究
室へ

研究室のMetalJetのX線源は当初、ア ンドレアス・フォーラス教授とステファ ン・ダブスキー博士が率いるチームによ り、小動物の肺の動きを追跡する位相コ ントラスト・イメージング・システムと して使用するよう調整されていました。 これまでの研究はすべて海外のシンクロ トロンX線源で行われていたため、可能 な研究の数や範囲が限られていました。 ムリエ博士とワーディンガー博士の最近 の論文は、MetalJetのセットアップで もシンクロトロンレベルの技術の実施が 可能なこと示しています。

アイザック先生によると、「MetalJet X線源が生む高い光束とコーンビームのおかげで、より大きなピクセルを使用できるよう倍率を設定しているため、短時間の露光でも画像を得ることができます。つまり、より物理的に厚いシンチレータを使えるため効率が高まります。小さなピクセルの検出器を必要とする低発散光源を使うのに比べ、はるかに短時間で画像が得られるため十分な数の光子を集めることができます」。

疾患の進行を分析する

この柔軟なセットアップの機能は、身体 の仕組みのより深い理解を試みる研究に 新たな機会をもたらします。モーガン博 士と彼女のチームが行ったシンクロトロ ン実験に比べ、新しい装置は生きた動物 を使った病気の研究に適した実験室規模 のイメージング・システムを提供するも ので、新たな治療法の有効性を器具を挿 入しないでX線イメージングを使って生体 でリアルタイムに研究することが可能で す。

「いつでも利用可能なため、数多くの研 究を行うことができます」とモーガン博 士は説明しました。「また、あなたが動 物の健康になにか問題が生じたことがわ かったときは、いつでも画像化するこ とが可能です。同僚と私は、肺で成長 している腫瘍を観察する研究を行ってい ましたが、そのモデルでは、2日かかる のか2週間かかるのかわかりませんでし た。これではシンクロトロンの実験では 計画は立てられません。しかし、いつで もシンクロトロンと同等の実験を行うこ とが可能なX線源があれば、病気の進行 をこのように追跡することができます。 自前のビームラインを持つことは大きな 利点になるでしょう。」

要するに、新しいMetalJetX線源のセッ トアップにより、大きかった能力の ギャップが埋まり、シンクロトロンX線 イメージングの進歩をヒトの診断に向 けることが可能になりました。その証 拠はモナッシュ大学のフォーラス教授 の会社4Dxですでに見られ、今では、肺 の動きを追跡する技術の商業化と病院の 治験が始まっています。

幅広いサンプルサイズ

また、学内の研究室ビームラインの利用 が可能になったことで、実験室では幅 広い検体やサンプルに合わせてシステ ムを調整する自由度が得られていま す。アイザック先生は、「アイデアを 提供するために、私たちはかなり面白 いものの画像化を始めています。脳内の 血流からマウスの関節炎まで、さまざま なものを画像化しています」と語りまし た。 研究チームは、これら異なるアプリ ケーションをすべて扱うために、おのず から時間をかけてシステムを洗練、適応 させてきました。先生は、「倍率やあら ゆることを変更する必要がありまし た」、「現在でははるかに柔軟なシステ ムになっています」と続けました。

実験室で検査される特定の装置には、比 較的長い時間が必要になるものもありま す。一般的なCTスキャンはほんの3~5分 しかかからないのですが、アイザック先 生は「なかには検査に何週間もかかって しまう場合もあります。そのときには、 その画像需要に対応できる連続稼働する X線源が必要になります。他のソースで はこれほど長く続きません。これは私た ちにとって明確な利点です。」

モナッシュ大学の研究チームは、今後、 位相コントラスト・イメージング・シス テムの柔軟性を引き続き高めていきた いと考えています。サンプルが脳、 膝、弁のどれであろうと、「私の目 標は、達成する必要のあるすべてのサ ンプルサイズと有効なピクセルサイズに 対応できる柔軟性を備えるシステムを持 つことです」とアイザック先生は述べ ました。

同僚と私は、肺で成長している腫瘍を観察する研究を行っていま したが、そのモデルでは、2日かかるのか2週間かかるのかわかり ませんでした。これではシンクロトロンの実験では計画は立てら れません。しかし、いつでもシンクロトロンと同等の実験を行う ことが可能なX線源があれば、病気の進行をこのように追跡する ことができます。自前のビームラインを持つことは大きな利点に なるでしょう。」
博士ケイ・モーガン博士

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